【特集】スペシャル・インタビュー 日本の医療人(1)歯科医師 山崎長郎先生 2

スタディグループ『SJCD(Society of Japan Clinical Dentistry)』は設立から33年の歴史をもつ。『歯科医学の確立、最新歯科技術の習得、医学全般の向上・成長、及び医療人としての人格形成』を理念に活発に活動してきた。現在、会員は歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士をあわせて1700人にのぼり、日本全国に12の支部組織がある。
「設立しようと決めたとき、ぼくの頭の中にあったのは二つ。一つは世界と同レベルのスタディクラブを作りたいという思いと、もう一つは基本理念・概念は強固にあるが勉強のデザインは個人が自由にできる、いわゆるアカデミックフリーが良いという思いでした」

先生のこの思いどおり、グローバルスタンダードな活動は広く歯科臨床医に受け入れられた。本部は支部組織にさまざまに情報提供をし、各支部組織は地域医療に貢献すべくそれぞれ研鑽をつみ、活動して、実績を積み重ねてきたという。
「日本の歯科界のスタディグループでは会員数はトップです。世界でもトップ3に入るまでになりました。私は、年に5、6回は世界各地で講演をさせていただいていますし、SJCDの同僚の先生方も、また後輩や“教え子の先生方”もあちこちで講演活動をされています。ともに勉強してきた成果です、非常にうれしいです」

これからの歯科医師、歯科医院は基本重視

インプラント治療や審美歯科などの成長・定着も大事としながら、先生がそれ以上に重視するのは『通常疾患への最新かつ適切な治療』だ。
山崎先生は言う。「通常疾患がなくなるわけではありません。治療では、患者さん一人一人の病状と口腔環境に即したより良い治療、今までよりさらに優れた治療ができなければいけないのです。豊かになった日本では、悪化した虫歯や進行してしまった歯周病などが増えることはないでしょう。歯科医院の状況は厳しいでしょうが、歯科医は勉強・修練を重ねて、最良の治療をして、患者さんの信頼を獲得していかなければなりません」
特に若い歯科医師へ。「生活者へのメッセージ、広告・宣伝で、集患のメカニズムは変化するでしょうが、信用のない歯科医のもとへは、当然ですが患者さんは来ません。適切な治療ができる豊かな人格をもつ歯科医でなければいけないと、やはり言いたいです。そして、優れた先生がきちんと評価される社会であってほしいと思います」SJCDと先生の活躍は続いていく。期待して注目しましょう。

この他のお話のエッセンスを以下にご報告

TPPについて、いま考えること

「まだはっきりしたことは言えない段階ですが」との前置きで、「国民皆保険がなくなってしまうなどということは、ないのではないか。ドラスティックに変わる可能性は極めて少ないと思う。逆に、国際的に高い評価を得ている医薬品や医療機器などがスピーディに許認可されて、より良い治療ができるようになるメリットに期待します」

患者さんと歯科医との良好な関係のために

「昔と比べ情報の収集が容易になっています。広い知識がある方が多いです。私の患者さんで『マイクロスコープを使用していますか?』とか『インプラントメーカーは○○にして下さい』とおっしゃる方がいます。知識レベルの高い方が増加していると思います」
「ですから、説明が重要です。症状はどうなのか。レントゲン撮影、歯科用CT撮影、口腔内カメラでの説明。治療法も模型を使って説明をする。自費診療の場合は、治療費を明瞭化すべきです。私の歯科医院では、お見積り、画像、解説を5枚くらいにまとめますが、プリントアウトしてお渡しします。ご納得いただいた上で治療を進めるようにしております」
「特にインプラント治療の場合はインフォームドコンセントを徹底しています。リスクについても必ずご説明します。100%の安全安心はないですから、いいことだけを説明しても信じていただけないと思います。歯科医、歯科医院は成長し、変わらなければいけない時代がきている、と考えています」と強調された。

私ども『メディカルズアイ』にいただいたアドバイス

「生活者の方の素朴な疑問が解消するサイト、医師に聞きたいことがわかるサイトになってほしいです。また、『かかりつけ医』を選択する時の基準となるようなツールにもなってほしいです。このようなサイトはこれまでありませんでしたから、とても有益なものになるのではないでしょうか」
「先生方には、大いにご活用されることを期待します。生活者に、疾患や治療法や、自分が信じることをメッセージできるサイトですから、利用していただきたいです」

ありがとうございます。
お忙しいなか時間をさいていただき、『メディカルズアイ』へのコメントまでお話くださった山崎長郎先生に深く御礼申し上げます。そして、生活者にとっても有意義なイベントの開催の折には、御講演などの協力をいただけることを約束していただいたことをご報告して、今回のインタビュー特集を“完”です。

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