感情的な働きと内臓との関係について(東洋医学的に)

東洋医学では病気の原因を考えるときに、外からの邪気による体の機能失調(外邪受感)と、「内傷」といって感情の昂ぶりや失調によって内臓を傷つけることによりおこる内因とに、分けて考えるのが基本です。ここで大切なのは、これらによりまず体を巡っていたり、それぞれの臓腑の働きから生まれてきたりして、体の機能的なものである「気」が乱されて病気が起こると考えるところです。
西洋医学では細胞病理から始まりますが、東洋医学ではそれらの連携や組織的な連絡によって生み出されてくる体の生理機能などを「気」という言葉で表し、人体を構成する要素のうちの50%としているところが興味深い点です。

七情と内臓

内傷は七情といって、感情的な状態が過度になると内臓を傷めてしまい、体の生理機能を失調すると考えます。七情とは「喜、怒、悲、憂、驚、思、恐」です。情動的な感情や脳の使いすぎや、ストレスによって内臓が調子を崩して病気になるとしています。つまり脳の感じ方が体の内臓に影響を与えると考えていることになります。

内臓の発達によって影響を受けやすい感情が異なることがあります。

本来成長途中の子供は「恐れたり」「驚いたり」はよくしますが、深く「思い悩んだり」「憂いたり」はあまりしないものです。これは成長過程では「思」「憂」という感情が「脾」、胃腸系と関係があり、この部分の発達が未熟で、それよりは内分泌や自律神経がダイレクトに影響する「肝」や「腎」との関連の深いとされる、「怒」「驚」「恐」が感情の中心になるといえると思われます。たとえば、秋田の「なまはげ」を子供は恐れたり、驚いたりして泣き出しますが、大人が突然でびっくりしたというのはあっても、寝込むぐらい驚いたりはしないと思います。

ですが、この「肝」と「腎」は人間にとっていのちの源を主っているところとされています。生まれてから10歳ぐらいまではここが中心に人間の成長を支配していると考えます。それにより胃腸がしっかりとしてくるのも待っている時期とも言えます。
子供の疾患に対して、漢方では「脾」を丈夫にする薬を使いますが、それでも弱いときには「腎」を助けたり、「肝」の機能を調整したりする薬を良く使います。

興味深いのは、「腎」や「肝」が体を支配している時期は自殺が少ない時期といえることです。ます。「脾」が発達してきて「思い憂いる」時期に入り、「心」が疲れてしまい、眠れない状況になると安寧な状態が心に生まれなくなり、楽しめなく(喜)なり、自殺を考えてしまうという状況になると考えます。ですから自死願望のある方に接するときは、経験的に、「脾心を良くするよりも、肝腎を助けよ」と先輩たちから教わりました。

近年は、ストレスや睡眠時間の短縮傾向、パソコンなどの影響、環境ホルモン、体の冷やしすぎ、偏食などから「腎」が弱い方が多く、生殖能力の低下など具体的な影響が出てきていますが、上にあげたような情動的な物にも少なからず影響を与えていると思われます

Categories: くすり

Tags: ,

Leave A Reply

Your email address will not be published.