まもなくインフルエンザの季節到来

今年の夏も猛暑が続きましたね。
気温の変動の影響で私の周りでは風邪をひいている人をちらほら見かけます。
この時期になると意識し始めるのが、『インフルエンザ』です。
まだ早いのでは?とお思いになる方もいらっしゃると思いますが、医療施設ではすでに予防接種が始まっています。
インフルエンザは、毎年12月上旬から1月に流行が始まり、1月から3月にかけてピークを迎えます。流行を前に、インフルエンザの予防方法や治療薬についてお話致します。

◆ 風邪とインフルエンザでは症状が異なる

風邪の多くは、喉の痛み、鼻水、くしゃみや咳などの局所症状が中心で、全身症状はあまりみられませんが、インフルエンザはそれらの症状の他に急速な38℃以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状を伴います。また、気管支炎や肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれんや脳症などを併発して、重症化することもあるため、高齢者や小児では特に注意が必要です。

◆ インフルエンザの予防

一番の予防方法は、インフルエンザの予防接種です。
インフルエンザは毎年流行する型が異なるため、流行が予測される型に合わせて作られたその年々のワクチンを接種することをおすすめします。また、ワクチン接種による効果は接種後すぐに現れるものではなく2週間程度要することから、毎年12月中旬頃までにワクチン接種を受けていただくのが理想的です。
ただし、予防接種を受けたからといってインフルエンザに感染しないというわけではありません。
私も経験がありますが、予防接種を受けていてもインフルエンザに感染したことがありました。
予防接種を受けることでインフルエンザに感染しにくくなり、感染した場合でも症状の重症化を防ぐことができますが、接種したワクチンの型と流行しているインフルエンザの型が違う場合などは、100%感染しないわけではありませんので注意が必要です。
しかし、予防接種は、発熱している場合や過去に予防接種でアナフィラキシーショックを起こしたことのある方などは受けることができません。接種に際しましては、医療機関へご相談ください。

◆ 日常生活で行える予防方法

1 栄養と休養を十分取る
2 人ごみを避ける
3 外出後の手洗いとうがいの励行
4 マスクを着用する
5 適度な湿度(50~60%)を保つ

日常生活ではまず、体調管理が重要になります。
バランスの取れた食事や休養で免疫力を高めましょう。インフルエンザが流行してきたら人ごみを避け、マスクの着用を心掛けてください。手洗い・うがいは基本中の基本ですが、付着したウイルスを除去するための有効な方法です。また、インフルエンザウイルスは湿度に非常に弱いので、私も乾燥しやすい室内では加湿器を使用したり、湿らせたタオルを部屋干しするなどして湿度を保つようにしています。

◆ インフルエンザかな?と思ったら

危険な症状を軽視したり、自己判断で薬を飲んでいる方も少なくありません。
市販の解熱剤に含まれているアスピリン(サリチル酸系解熱鎮痛薬)は、15歳未満の子どもに使用すると、インフルエンザ脳症を引き起こす危険性が高まると指摘されています。解熱剤に含まれる他の成分にも脳症を悪化させるものがありますので、解熱剤については医師や薬剤師にご相談ください。
また、抗生物質は細菌に効果のある薬で、インフルエンザウイルスには無効です。風邪薬も、発熱・咳・鼻水などの症状を抑える薬であり、インフルエンザに直接効くものではありません。
インフルエンザの疑いがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

◆ インフルエンザの治療薬

インフルエンザに対する治療薬としては、インフルエンザウイルスそのものの増殖を抑える抗インフルエンザウイルス薬があります。抗インフルエンザウイルス薬には、経口薬の他に吸入薬や小児用ドライシロップ、点滴など様々な剤型があり、小児から大人まで使用することが可能です。
治療効果をあげるためには症状が現れてからなるべく早く服用する事が大切となります。
そして処方された薬は、必ず最後まで! 症状が軽くなったからといって途中で止めてしまうと、ウイルスが再び増殖する可能性があります。決められた日数は必ず服用してください。

薬の併用に関しては、医師や薬剤師にご相談ください。

流行の時期を迎えると、当院の入院病棟でもインフルエンザに感染する患者さんがいます。
病棟では免疫力の低下している患者さんに接することもあり、入室前の手指消毒や退室後の手洗いを行い感染源とならないように特に注意を払っています。また私自身も感染しないよう、インフルエンザワクチンの予防接種やご紹介した予防対策を実践しています。そのお陰か、ここ数年感染することなく過ごしています。
ここまで、インフルエンザについてお話致しましたが、やはり感染しないのが一番です。皆さん、まずはしっかり予防を心掛け、これから来る冬を乗り切りましょう。

Categories: くすり

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