女性と漢方(東洋医学) No.1

漢方の有効性

私は医師として、東洋医学と西洋医学の二足わらじをはいて、10年以上になります。
なぜかといえは、QOL医療である女性医学においては、患者が自由に自分の意思で選べる治療の選択肢がたくさんあったほうがよいと感じているからです。
また、女性である自分自身にとっても両方の医学が必要であると感じています。疲れた時、風邪気味の時、生理痛の激しい時など日常的に利用する医学としては漢方がとても有効です。しかし重症になってくると現代の最新医療が有効な場合も増えてきます。この両方の医学のいいところを利用できるのが、現代に生きる私達のメリットでしょう。

漢方で未病とは

「あの人は、体が丈夫なのよ。」とか「あの人は、体が弱いのよ。」と日常的に人はよくいいます。しかし医師は、なかなか体が弱いという言葉を用いません。これは西洋医学的には、検査で明らかな異常がなければ、異常とはいえないからです。
そのため、症状があるのに「あなたは正常です、あなたの症状は気のせいです」と言われ、苦しんでいる人はたくさんいます。
東洋医学には、未病という言葉があります。 この未病という言葉、自覚症状はあるけれど、まだあきらかな臨床的な異常がない状態をさしており、正常から異常への移行状態をさしています。東洋医学的には、以前より広く治療の対象になっていた未病ですが、西洋医学でも死ぬ心配はないが生活していく上でとても困るQOL疾患という概念が広まるにおよんで、だんだん以前は気のせいだった病気の多くが、西洋医学的な病名をつけられて、認識されるようになっています。

人間の寿命はほぼ100年

西洋医学のもう一つの代表的な特徴が、生命予後をよくすること、つまり1日でも長く生かすのが最も重要な価値であるということがあります。あまりにも生命予後にこだわりすぎ、寝たきりでも、意識がなくてもとりあえず生きてさえいればよいというところまで西洋医学はきて、ついに生きてさえいればよいのか、その生活の質を問わなくてよいのかいう反省をもととして1970年代にQOL医療が勃興したわけです。
一方東洋医学では、以前よりあまり延命に熱心ではありませんでした。
なぜならば、ほぼ古典的な書物が完成された時点で、人間の寿命はほぼ100年であると決めているからです。もちろん100歳以前に死なないために過労やストレス、病気を避けるように”養生”が説かれます。
東洋医学の根本原理は“かぎりある100年の人生をあまり無理したり、極端に卑下したりせず、適当なところで謳歌する”という考え方なのです。

Categories: 医科

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