介護という労働

十年前まで、日本では介護は家庭内でひっそりと行われていて、家事の延長線上に考えられていました。その担い手も、嫁、娘、配偶者の順で、多くは長男の嫁が引き受けざるを得なかったのです。それ故、ある地方では長年、舅や姑の寝たきりの世話をしている嫁に対して、表彰状を出すということまでが、まことしやかに行われていました。その介護とは、ほとんどが「寝たきり」だったのです。

今でも「夜具は蒲団を敷いて寝ています」という高齢者が多いようです。横になった状態から何にもつかまらずに自力で起き上がるには、それなりの筋力を要しますが、普段は、それは当たり前のこととして何も考えずに動いています。それが、何かのきっかけで、起き上がれなくなった時から寝たきりの状態が生まれます。

その「寝たきりの介護」とは、
① 食べさせて
② 身体をお湯で拭き
③ 排泄の世話
と決まっていました。
いわゆる3大介護です。

そのような「寝かせたきりの介護」では、身体の機能が衰えてしまうので(廃用症候群)、最近では、ベッドから少しでも身体を起こすことが、介護の基本と言われるようになりました。
今、一番、問題になっているのが、人材不足。
そこで介護ロボットの研究が盛んに行われていますが、やはり、最終的には人の手によるものであり、それも介護をしてくれる人の裁量行為によるところが大なのです。介護保険で介護サービスの内容と量が決まっていても、その方法について100%までは法律にはありません。
そこが重要な観点なのですが、そこに気付く人はそれほど多くはありません。

例えば、介護付有料老人ホームでは、週2回の入浴がありますが、自分の希望する時間に気ままに入浴できるとは限りません。また、ヘルパーさんによって身体を洗う力加減や、言葉がけなどの雰囲気作りもさまざまで、同じ介助入浴が天と地ほどに違ってくるのです。黙々と流れ作業で行われる入浴介助では、何を言わずもがなということです。

一昔前は、誰もが「畳の上で死にたい」と言っていましたが、今では、多くの人が自分の介護で家族に迷惑をかけたくないと思っています。
どうしたら、家族の負担にならないで済むのでしょうか?
最近、企業でも両立支援という福利厚生に取り組み始めています。そのためには、介護労働を新しい産業と位置づけて、誇りを持って一生の仕事として取り組めるようにすること以外には在りえないでしょう。
そして、介護学という概念を普及させて、学問として、より一層高度な技術として、介護そのものが社会のシステム化の流れに組み入れられることを期待しています。

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Categories: 介護

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