「おんぶ」は便利

おかあさん達におんぶをしているか聞いてみると、している人がとても少ないです。特に第一子の子育てでは、殆どおんぶをしていないといわれます。
みなさんは「おんぶ」って昔のこと、古くさいことと思っていませんか。
30年くらい前から抱っこひもが流行し、おそらく、その頃からおんぶが好まれなくなってきたように思います。
でもおんぶの便利さを知っている私は、現代は核家族の夫婦がほとんどですから、今だからこそ「おんぶ」をしたらどんなに子育てが楽ちんかと思わずにはいられません。

ずいぶん昔になりますが、小児科医の仁志田博司先生 (元東京女子医科大学母子総合医療センター所長・教授) の講演を聴いたときのことです。
ドイツ留学中、奥さまを通しての日本人の子育てについて少しお話されたことが印象的でした。お話は「ドイツではおんぶの習慣がないのだが、日本で当たり前のおんぶなのに妻は我が子をおんぶしなかった。おんぶは家事をしたり、子どもを寝かしつけたりするのにとっても便利で、子どもにとっても母親にとってもよいものだと思う。日本人の性格だろうか、妻は便利なものだと自慢するどころか、恥ずかしがってしなかった。」という内容でした。

とかく日本人はカタカナ、欧米のものを優れていると勘違いし、それを取り入れることが最先端 (流行) であると思いがちです。
しかし日本独自の子育てにも良いことがたくさんあります。
その一つに「おんぶ」があります。

抱っこひもを利用して台所で包丁が使えますか。「抱っこ」では家事のできる範囲が限られます。「おんぶ」は両手が空くので、子どもがぐずっても炊事をしたり、洗濯物を干したりできます。
「おんぶ」は家事と育児の両立においては、子守をしながら家事ができるという優れものと思いませんか。それに何と言っても子どもはおかあさんにくっついているのが大好きで安心します。「おんぶ」はおかあさんにとって便利であり、子どもにとっても安心できる、一石二鳥といえるでしょう。
「おんぶ」は後世の子育てに、是非、残して欲しいです。

密かに「おんぶ」がブームという噂もあります。とても嬉しい限りです。
ただ、おんぶと抱っこ兼用の商品には、使い勝手の悪いものもあります。よく検討してから購入されることをお勧めします。
私は、いわゆる昔ながらのおんぶひもを愛用していました。サイズもなく、簡単に使えます。赤ちゃんの首が座ったら、誰かに手伝ってもらって練習してみてください。
そして「おんぶ」はおかあさんだけでなく、おとうさんにも是非チャレンジして欲しいと思います。

〈追加〉
—おんぶについての相談からー
・おんぶは赤ちゃんの顔が見えないので心配。
それは鏡を利用しましょう。鏡を使えば赤ちゃんの様子が見られますし、赤ちゃんと顔を合わせることがきます。

・もしお乳を吐いたら心配。
まず吐いてもいいように、おかあさんはおんぶの時は汚れてもよい服を着ましょう。また肩にタオルを巻いてもよいでしょう。吐いたお乳は下に垂れますので、窒息など起こしません。慌てなくて大丈夫、誰かに拭いてもらうか、一人なら下ろして拭いてあげましょう。少しのことなら、鏡を見ながら拭けますね。

・一人でおぶれない。
慣れたら一人でできるようになりますが、早くから一人でおぶりたい場合はコツがあるので、経験者に聞かれるとよいでしょう。文章での説明は難しいのでごめんなさい。

・寝たとき頭が垂れるのが心配。
頭が垂れても心配ありません。横にも垂れないよう工夫された商品もありますが、お勧めしません。鏡でおかあさんと目を合わせたり、高い位置から眺めることを遮られることの方が、おんぶをつまらないものにすると思います。おかあさんの後ろ頭だけ見える状況を想像してみてください。

・どのくらいの時間おんぶしてよいか。
おんぶに時間の制限はありません。お互いに慣れるまでは、15分から30分くらいから始めるとよいでしょう。

Categories: 医療従事者

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