ほどよい母親

ある時、食べもの文化 (芽ばえ社発行の会員雑誌) の増刊号「食事どき落ちつかない子どもたち」を読んでいたら、その中に『ほどよい母親は上手にわが子とつきあえる』とありました。
これは、室田洋子先生 (聖徳大学教授) の食事のはなしから、人格の基底となる「基本的信頼感」の形成についてのところであった。興味のある方は探して読んでみてください。

この『ほどよい母親』について私も同感です。最近のおかあさんの真面目さ、几帳面さには感心すると同時に、もう少し手を抜いたらどうかと思わずにいられないところがあります。反対にもっと手を掛けて欲しいと思うこともあります。二極化していて、つまり『ほどよい加減(ちょうどよい加減のほどほどさ)』ができないように思います。

真面目さでは、例えば
「離乳食は一匙からですよね、少しでも多いといけませんよね」
「離乳食の後におっぱいを飲ませるように言われたのですが、飲まなかったらいけませんか」
「哺乳瓶でミルクを飲まないのですが大丈夫でしょうか」
などから、
「最近あまり食べなくなって、このまま食べないってことはありませんか」
「母乳の回数を減らすように言われたのだけれど欲しがるんですが、飲ませない方がいいですか」
「赤ちゃん用のおやつって与えて大丈夫ですか」・・・。
私も答えるのに苦労するのである。なぜかというと、私の子育てを振り返ってみてもそこまで考えてなかったよと思うことを質問されているからである。

食事は楽しいのが一番、次がほどほどの安全性 (なぜかというと全く安全な食品を集めることは不可能ですから) ではないでしょうか。
離乳食に悪戦苦闘しているおかあさん、あまり離乳食に振りまわされないでください。
参考までに、離乳食については日本母乳の会発行の「離乳食」をお薦めしています。また最近では離乳食の本が多く出版されています。本選びのヒントとして、夫婦(家族)の食事レシピから取り分けて作るレシピが、簡単で手軽に作れて便利だとはなします。

さて、おかあさんたちがこの『ほどよい加減』ができない要因には、少子高齢化の社会変化があります。我が子を育てる前に、身近に子育ての様子を見る機会や赤ちゃんに触れる体験がなく、本や話で知ることが多いことです。
しかしこればかりではなく、他にも学校教育、情報過多、メディアの影響などがあるでしょう。完璧を求めるような社会全体の雰囲気が、そのような方向に追いやったといえるのかもしれません。
最近「ほどほどがわからない」と話すおかあさんがいました。もうそこまできているのかと・・・。

完璧なおかあさんを目指すことは止めましょう。いや完璧なおかあさんなんてこの世には存在しないと思います。貴方のおかあさん (おばあちゃん) だってそうだったはずです。
『ほどよい母親』はその子にとって信頼できる母親なのです。それでいいんです。その『ほどよい加減』が赤ちゃんだけでなくおかあさん自身にも余裕を与えてくれることと思うのですが・・・。

Categories: 医療従事者

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