大人の話(いうこと)を聴くようになるには

おとうさん、おかあさん、保育園・幼稚園・小学校や児童クラブの先生など、子どもたちの話をよく聴いていますか。

池上章氏の著書『伝える力』の中に「子どものころを振り返れば『ねぇねぇ、聞いて、聞いて、あのね・・・』と誰もが言っていたでしょう。大人になっても多くの人が持ち続けているはずです」「人は誰でも、面白いことや感動したこと、珍しいことなどを見たり、体験したりしたときにはほかの人に伝えたくなるものです」とあります。

よく保育園や幼稚園では、一人の園児が先生に話をし始め、周りの子どもが「あのね、あのね〜」と次々話しかけるのを目にします。先生は返事をするのが大変で、「分かった、分かった、後でね」と言うのが精一杯というところでしょう。さて、その後に聴いてあげているのでしょうが、たぶん「さっきはなあに?」と尋ねても「え〜っと、忘れた〜 」と答えて遊びに夢中といったところかもしれませんね。

家では、帰宅するなり、保育園・幼稚園や小学校での出来事を話したくて、子どもが「ねぇねぇ、あのね~」と度々言ってきませんか。
お母さん、お父さんは、どのように耳を傾けていますか。
忙しくて「待ってね、後でね」と子どもの話したい気持ちを遮っていませんか。
上の子がおかあさんに話しかけると、下の子も「あのね〜」と話しかけてきて、だんだんうるさくなって、結局上の子の話しを聴いてやれなかったという経験もあるのではないでしょうか。忙しいとなおさらです。
「順番に聞くから待ってね〜」と一人ずつ聴いてあげられたらよいのでしょうが、なかなかお母さんには余裕がない場合が多いかもしれませんね。

ところでお父さんはどうでしょうか。
仕事で子どもと話す時間があまりないという方も多いと思います。時間があったとしても、テレビに見入って、あるいは新聞・雑誌を読みながら聞いていて、子どもが話しかけても生返事になってはいないでしょうか。

実は、子どもが話しかけたその時が大切で、特に小さい子どもにとっては、話の内容より、聴いてもらって嬉しかったという記憶の方が重要なのです。
いつもはできなくても、時にはしっかり子どもの話し相手になって、ゆっくり聴いてあげましょう。
しかし聴く振りをしたり、しつこく訊き過ぎたりすることはよいとはいえません。親から「どうだった?どうした?」という質問攻めに遭うと、話したい気持ちを失ってしまうこともあります。子どもの伝えたい気持ちを大切にしましょう。

学校では、約30年前から学級崩壊ということばが使われ、先生の話を聴かない、聴けないという問題が浮上してきました。子どもが話を聴くようになるには、その前に自分が聴いてもらったという実体験が必要だと思います。
子どもの問題という前に、まずは大人 (親や先生) が子どもたちの話を聴いているかどうかを見直してみましょう。
話を聴くということだけでなく、ゴミのポイ捨てや喫煙、飲酒など、大人が好ましくない見本を見せていることってたくさんあるのではないでしょうか。
子どもはよ〜く見て、ぜ~んぶ真似していますよ。

大人になると1日24時間が子どもの頃より早く過ぎ、毎日忙しいように感じます。でも子どもの話をゆっくり聴く余裕は持ちたいものですね。
忙しくて余裕もなくてというお母さんやお父さんには、子どもが文字を書けるようになったら、親子で交換日記をやるのもお勧めです。

私も自分の子育てを振り返り、もっと聴いてあげていたら我が子の成長の発見がたくさんあっただろうと思います。
今は聴く側が親子逆転していることに、思わず苦笑いです。

Categories: 医療従事者

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